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老いしい生活

「老い」という言葉には、どこか影のようなものがついて回ります。
誰しもいずれは直面することになることを思えば、あからさまに忌み嫌うことははばかられる気がしてしまいます。
それはもしかしたら、少し余裕のあるフリをしていないと無条件に恐れているみたいでカッコ悪いからなのかもしれません。

「老い」。それはできれはいつまでも顔を背け、目をそらしていたい現実。
こんなに直視したくない言葉というのも珍しいのではないでしょうか。

でも逃れようのない事態なのであれば、これからはむしろ真っ向から向き合ってその素顔を受け入れることはできないものでしょうか。
人生100年時代と言われるようになり、70歳を超えても働かなければならない未来がかなり現実的になっているのです。
これからの令和の時代は、いかに高齢期を生きるかが日本人の命題になるのではないでしょうか。

立派な高齢者となる心構えや、何か指針が欲しいなと思いました。
そこで考えてみたいのが「老い」のイメージ改革です。
「老い」の暗く悲しくマイナスなイメージを、一周回って受け入れやすく前向きになれるものに活用していくことができるのではないか。

「老いしい」という言葉を思いつきました。
言わずもがな、“美味しい”をもじっています。ニュアンスとしては“オイしい”に近いのかもしれませんが、年齢を重ねることで得られるメリットにつけられる形容詞として使用します。
わかりやすい例としては、優先席に座れる、何らかの割引が受けられるなどの、高齢を理由に優遇される際に使えるという感じでしょうか。
こうするとなんだかしたたかな匂いもしますが、同時に「老いしい」は、老いて“悲しい”の略語であるともとれるのです。
そのおかげで、安直に“オイしい”で終わらないところに深みが感じられたりはしないでしょうか。ダメですか(笑)。