想いを、体験を、時代を刻んで未来に遺す
合同会社 そらの子堂
TEL:050-3578-6299

その人が出会う本を作るということ。

「習い事で通ってきている小学生の女の子なんですけど、毎週少し早く来て、見本で置いているこの本を少しずつ読んでいるんです」

先日、弊社の本を置いていただいている某施設にお邪魔したときのこと。
担当の方がそんなことを教えてくれました。
その本とは、「すだちとともに 〜相談力育成サポートブック」でした。

すだちとともに 〜相談力育成サポートブック〜

この本は発達障がいのある方の福祉分野での支援を行っている相談支援専門員が、使える福祉サービスなどを実際に行っている支援の事例を使ってわかりやすく紹介したものです。
障がいのある人の生活や人生を豊かにする福祉サービスの利用に欠かせない「相談支援専門員」の存在をもっと広く知ってもらうことで、発達障がいの特性のために社会生活に困難を抱えている方やその家族の方の支えになれれば…という思いで製作しました。

特に、10人以上の豊富な事例を掲載しているのですが、その一人ひとりの人物像をできるだけ身近な人として想像してもらうために、ストーリーに力を入れています。
福祉の専門書ではなく、さまざまな人生を歩む人のストーリーを追体験し、そこから本来の支援を考えていくとことを狙いました。
それでも実際の社会では、やはり「発達障がい」というテーマは、まだまだ多くの人にとって他人事…そのように感じることが多々ありました。

けれども、小学生の女の子が興味を持って読んでくれている──。
実際に、「すだちとともに」を作ったときは、想定する読者に小学生は想定していなかったのです。
少し驚いたのですが、とても嬉しいお話です。励みになりました。
私たちの作った本が、彼女のこれからの人生に何かしらの影響を与えるのかもしれない。
そう考えると、もっとたくさんの知識や物語を本という形にして、もっとたくさんの出会いを仕掛けていきたいと思ったのでありました。